コラム

クライアントから見る、フリーエンジニア・デザイナーの失敗談。独立する際の心得

今回は、会社を辞めてデザイナーになりたい人に、クライアント目線から助言します。

これは、実際にフリーになって失敗した人をモデルに書きます。

ある人が個人でWEBデザイナーになるまでの経緯

社内でも、絵を書くのが上手だったK子さんは、従業員10名ほどの小さな会社で事務をしていました。会社のWEBサイトは、外注ではなく、K子さんが手作りをしていました。

基本的にワードプレスを使ったWEBページでしたが、凝り性のところが幸いして、
きれいにCSSで仕上げて、テンプレート以上の魅力を引き出していました。

会社のWEBサイトは。どんどん良くなっていき、WEBサイトからの問い合わせも増え
またEC機能や予約機能を盛り込んだため、会社の利益にも貢献してきました。

社長もそれに気をよくして、彼女の事を社外の人にも言うようになり、その事を聞きつけた別の会社の社長から、こんど、うちの会社のサイトもつくってよ、なんて言われて、気を良くしていました。

しかし、会社は取引先の倒産が運悪く重なり、事業は縮小していき、K子さんもこのままじゃダメだとおもい、会社を辞めて次の道に進むことを決めました。

その時、彼女の脳裏に浮かんだのが、独立です。

彼女のWEBのスキルはかなりのものになっていました。そこで彼女は駅前にコワーキングスペースを借りて、WEB制作を始める事にしました。

スタートアップは順調だった。WEBデザイナー

彼女のスタートアップは、比較的順調でした。前職でWEBサイト作成のうわさが広まっていた事もあり、すぐに仕事がもらえるようになりました。

最初は順調だった仕事でしたが、半年を過ぎたころ、彼女の生活はおかしくなっていきました。

何人目かの顧客が、デザインにリテイクを出したのです。 彼女はそれに答えるべく、なんどもリテイクをしていきました。納期も遅れていきました。

結局1カ月遅れで、納品して制作費も回収したようです。

そのことを、私にしつこく話をしてきました。 彼女の意見は「相手が悪い」「今度から、契約書できちんとする」と言っていました。

それを聞いた私は、この人には、絶対に仕事を頼むのをやめようとおもいました。

彼女はデザイナーとしては2流だったのです。 彼女にはクライアントの意図を汲み取るスキルがなかったのです。

一流のデザイナーとは、クライアントの意図を汲み取り、1発ないしは2発で、そのデザインを出せる事にあります。

しかも、それを息をするように、自然に。。

 私は昔から、html2.0時代がらホームページを作っていましたが、WEBデザイナーになろうとは思った事がありません。 なぜなら、ページを作るのに異常に時間がかかっていたからです。

作るのが手間なら、その仕事は向いてない

一流のデザイナー・エンジニアは、通常1時間かかる作業を10分で終えてしまう人の事です。

たとえば、Windowsの初期設定を、本を見ながら作業したら、1時間かかるとします。慣れてない人なら2時間かかるかもしれません。 それでも、出来上がった品物は同じです。 この作業に1000円の価値をつけたとします。

でも、慣れている人からしたら、10分で終わります。しかも、コントロールパネルや
デバイスマネージャーがどこにあるか、頭に入っているので、調べる必要もありません。息をするように、スイスイ終われらせてしまいます。

つまり、1流の人は、10分で1000円を稼げるのです。

彼女の場合も同じでした。 プロとしてやっていくには、相手のデザインの意図を汲み取り、10分で形にして、OKをもらう。そして、あとの50分は別の事は、遊びにつかってもいいし、別の仕事をしてもいい。

しかし彼女は、相手の意図を汲み取れず、何回もリテイクを繰り返し、その作業の完了に
2時間も、3時間もかけているのです。

これは簡単に言えば、センスです。 彼女にはセンスがなかった。でも、それまでにもWEBサイト制作でそこそこ知名度があったので、それを認める事はありません。

一流のプロは、何人の依頼も意図を汲み取り、標準時間以下で答えの出せる人の事を指します。

まさしくプロ野球の選手と同じです。何億も年俸をもらえるのは、シーズンの間に3割以上とかの打率を出せるからです。

万人も回数という努力をすれば、ホームランが打てるでしょう。しかし、ホームラン1本打つのに、1万打席も費やしていたら、プロとしては通用しません。

絶対にやってはいけない。 クライアントへの言葉

クライアントとのデザイン打ち合わせに、いらだちを感じていた彼女は、ついに禁断の一言を口にします。

「じゃあ、どうしたらいいですか! デザインを書いてみてください」

これには、クライアントも口を開けてしまいました。

デザインをアウトソーシングしているのに、そのデザインをクライアントに書かせるなんで。。

これで、彼女は終わったなと私は思いました。彼女はWEBデザイナーで大成する事はないなと。

もちろん、デザイナー側にも言い分はあるでしょう。

でもクライアントも、難癖をつけているわけではありません。

クライアントの心の中にも、ストンと納得できるデザインの解があるのです。

それを1番に見つけてくれるデザイナーを探しているのです。それを見つけられる、しかも、デザイナー自身も労力をかけず、「1+1」の計算を解くくらいの感覚で
だせるデザイナーこそ、クライアントからみた1流なのです。

デザインを、うーん うーん って考えて生み出すうちは、独立しても苦しむだけです。

ちなみに彼女は、会社員時代は、うーん うーんと悩んではいなかったそうです。

それは、自分の仕事に関係するWEBサイトだったため、アイディアがつぎつぎと
湧き出てきたそうです。 これをセンスがあると勘違いしてしまったのですね。